沢田マンション

アジャイルプロセス協議会の5周年セミナーに参加してきました。

http://www.agileprocess.jp/modules/eguide/event.php?eid=18

沢田マンションというある意味特殊な状況をIT業界に適用して考えようとしたという点が中々奥深い気がした。IT業界に置き換えれば、

  • 不具合を思いつきで修正する

ということになるだろう。しかし、IT業界ではそれはやってはいけないタブーだったはず。安易にシステムを改造すれば、必ず不整合や不具合が起きるものだ。しかし、なぜそれをIT業界に適用しようと思ったのか。

自分の推論ではあるが、

  • 沢田マンションは現実としてリアルに存在している(ITの理屈が成り立つなら、存在できないはず)

というのが建築からITへの従来のアナロジー以上になんらか考察できる点があるということなのかな、と感じた。実際、思いつきで改築や増築をしていたら、いろいろ問題もおきやすいだろう。たとえば、耐震強度やガス漏れなどそういう点はどう考えたらよいのだろう。セミナーではその点について質問したところ、講師の方からは「リスクは考えていない。問題が起きないのは何故なんでしょうね。」と逆に不思議がられていた。しかし、「住んでいる人はある意味特殊です。」という言葉を聞いたときに、

  • 「求められている品質でサービスを提供している」

のではないか、と感じた。システムでも不要なサービスや品質を提供することは多いものだ。実際、沢田マンションの品質を求める人々が多いかというとそうではないだろう。しかし、現実に存在するということは確実にそのサービスを求める需要もあるということだろう。

全国どこにでもあるわけではないのでそれでよいのだろう。

システム開発だって同じように考えれば、同じような品質の需要もあるのだろう。とにかく、この建築をIT業界に当てはめて考えようとしたこと自体がおもしろい発想と感じる。