ほめると叱る
昨日、阪神優勝の軌跡のような特集番組を見た。その中のエピソードで今岡選手のバント失敗の話が出ていた。内容はこうだ。
- 今岡選手は阪神の5番を任されていた。
- ランナー1塁の場面で、今岡選手は自分の判断で送りバントをした。
- 結果はダブルプレー。
- 岡田監督は激怒。「今岡、お前の仕事は何だ!」
- 今岡選手は、延長10回に、サヨナラ犠飛で勝利に貢献。
つまり、岡田監督は怒ったわけだ。誉めてのばしていないですね。誉めて伸ばすのなら、
- 今岡選手は、自分の状態、相手投手の状態、ゲームの状況などから複合的に判断し、最適な方法は何かを考え、送りバントと思った。
というわけだ。チームのために、最適な解をもとめ、実行したのだ。たまたま失敗したが、成功していたら、チームに貢献できていたかもしれない。
- 「今岡、今回は失敗したが、チームのことを考えてくれてありがとう。次は思い切って行っていいぞ!」
こんなやり取りをしてもよいはずだ。
結果、どちらが良いかはわからないが、少なくとも今岡選手はそのことを覚えていて、モチベーションをあげることに成功し、サヨナラ犠飛を打つにいたったわけだ。
たまたまプロ野球の選手だから、とか、チームに勢いがあったから、という結論でよいのだろうか。リーダはどう対応するのが正解なのだろうか。
まあ、正解は無いのだと思う。しかし、方針はある。岡田監督は、今岡選手に多大な期待を持っていたのだ。5番にすえるということはそういうことだ。それなのに、消極的なバントをする、と言う姿勢に怒ったのだ。言い換えると、「今岡、お前を信頼しているかぞ!思い切り振って来い!」と期待していたわけだ。ここで怒らなければ岡田監督の信頼は今岡選手には伝わらない。今岡選手もそれを感じ、勝利に貢献したし、シーズンを通して活躍できたのかもしれない。
誉めると叱る、誉めることも難しいが叱りどころも難しい。しかし、リーダがまず相手を信頼することが重要だとも思える。相手を信頼しているから、相手の行動を誉めることもできれば、叱ることもできるのだろう。
誉めると叱るを考えるより、お互いの信頼関係をどうやって築くかのほうが重要と言うことのように感じる。そうすれば、意識することなく、いつも同じ態度で相手に接することができる。