アクセス制限 :-|

今、会社の中でインターネットへのアクセス規制をすべきかどうか、という話が出ている。大勢の意見は、「規制すべきである。」とか、「アクセスログとユーザを関連付け、業務以外のアクセスには警告を与える。」などとであった。それどころか、人によっては「XXXのサイトを利用している人がたくさんいる。XXXやYYYも規制すべきだ。」などと、規制を加速させる発言をする人もいる。

自分は、インターネットへのアクセス規制はインターネットそのものの存在意義を否定しかねない行為だと感じている。いつでも誰もが利用できる理想のネットワークを目指していたのがインターネットではなかったのだろうか。もちろん、業務時間に長い間業務に関係ないサイトを利用するのは問題だと、私も思う。実は以前ネットワーク管理者だったころ、まだ回線が128Kなどという時代にバスケットのムービーを大量にダウンロードしている人がいた。帯域をほぼ占有されており、「ネット利用が遅い」という苦情が来て、調査したところ分かったのだ。その人に数回の警告の後、それでもムービーダウンロードを大量に継続していたので、所属部署の責任者に了承をとり該当者のPCをネットアクセス禁止に設定してしまったことがあった。(このときは、担当プロジェクトのリーダーが怒鳴り込んできたなぁ。)また、ゲームの掲示板に1日中書き込みをしている人を見つけたときも、直接警告したりもした。この人の場合は、いつもIEが不自然に小さく、話しかけるとさっとIEを最小化するので、なんか怪しい、と思ってアクセスログを検索したところから判明したのだ。

私も無法地帯で何もせず、なすがままに任せるのが良いといっているのではないのだが、なんとなく社員同士で考え、目に余るような行為が見つかった場合には、社員同士で注意するのが良いと考えている。「ちょっとだけなら」という出来心でアクセスして、気が付くと1日の大半を業務以外に使用してしまう人もいるのだろう。そういう利用を防ぐのに、安易にネット規制をするのではなく、社員のモラルに任せたい。本当にそれでも問題が多発する場合は、社員自らで考えたい。社員皆が「ネット規制すべきだ」というのならそれもよかろう。しかし、管理職たちが、「ネット規制をする」と宣言することとは大きな意味の違いがある。

ネットを規制しようというのは、やはり社員を信頼していないからだと思う。だから社員もまた信頼されていないので、モラルを高めようと思わないのだ。実際に信頼に足る行動を取っていない社員もいるかもしれないが、そういう行動を見つけたら、一社員として極端な場合だけ注意をするぐらいにとどめ、そして社員は会社がなぜネット規制をしないかを十分に考えてほしいと思うのだ。そうすれば、会社が社員を信頼しているから、というのは伝わるのではないだろうか。