議事録ドリブンな開発 :-)

以前から議事録は大好きで、自分ほど議事録を重視している人をあまり見かけたことは無い。ただ議事録重視とはいってもほかの人とは若干ニュアンスが違う。私は、以下のような考えで議事録を作成している。

  • どんな会議も議事録を取る。朝会も、ちょっとした担当者同士の打ち合わせも。
  • 議事録の内容、レベルは問わない。完全な議事録を書こうとしても書くことは難しいし、すべてが記載されていても役には立たないと考える。
  • 言った言わないを防ぐために議事録を書いているわけではない。どういう経緯があったか、いつ、何がおきていたかを確認できるようにするために書く。
  • 無いよりはまし、程度でも書く。そんな適当な姿勢が議事録を継続できる要素でもある。
  • 適当に書いても、誰かが見れば、あらたな問題や情報共有へ発展する可能性が高い。何も無いところからは何も生まれないのだから。

そのため、結構適当に書いているので逆にそれが幸いし、多くの議事録を作成することもできているし、重要な部分は割ともらさず書くこともできているつもりだ。なので、異論は多いかもしれないが、私は朝会も議事録は作成するのだ。で、朝会議事録を以前は普通に書いて履歴としてとっておいていたのだが、最近は朝会を実施する前に議事録が出来上がっているという状況にしてみた。

どういうことかというと、以下のような運用をしているのだ。

  • 朝会に参加する前に、それまでの作業記録を次の日の朝会議事録にあらかじめ書いておく。
  • 朝会に参加する前に、今後の作業予定を次の日の朝会議事録にあらかじめ書いておく。
  • 朝会に参加する前に、問題と思うことを次の日の朝会議事録にあらかじめ書いておく。

こういう運用をしていると、朝会のときに、「えーと、昨日は何をしたんだっけ?」という人がいなくなるのだ。また、「あれ、何か問題があったんだけど忘れてしまった。BTSにあげるほどではなかったのでそのままにしていたように思うんだけどなんだったっけ。」ということもなくなるのだ。朝会は問題と思うことを言えるので、あまり重要な問題でなくても気軽に言えるので、同じように問題と思った瞬間に次回の朝会議事録に気軽に書くことができれば問題が大きくなる前に気づく可能性も高まるのだ。そして前回何をやったか、などを個人のメモに書いている人も多いと思うが、そのメモも不要になるのだ。そして議事録もついでに作成してもらえるので一石二鳥いや一石三鳥なのだ。もちろん、こういう運用をするため、Wikiは必須になる。

そして最近気に入っているのが、朝会で問題としてあがったことを、次の日の朝会議事録にあらかじめ「前回の問題」として書いてしまうというやり方だ。通常は議事録はその日の打ち合わせの内容を書くのだが、朝会のような定例会議の場合、問題や宿題に関する記述は当日の議事録ではなく、次回の議事録に書いておくのだ。そして会議に参加する際は、そのあらかじめ作成した議事録を印刷し会議に臨むのだ。そうすることで、前回の問題がうやむやになることを防ぐことができる。解決できないような大きな問題は課題管理に移行し、別管理にすればよい。朝会の二次会で検討された内容も、次回の朝会議事録に「前回の問題」として書いておけば、そのときにフィードバックが可能になるのだ。

ちょっと絵で書かないとわかりにくいかもしれないが、次回に引き継ぎたい議事内容は今回の議事録には書かず、次回の未来の議事録に書いてしまっておく、というちょっと議事録としては正しくない運用なのだ。しかし実際行ってみるとすばらしく効果が高い。問題を言っただけで終わりにせず、検討内容や対応状況までも朝会で共有できるし、漏れが無いのだ。これは私のプロジェクトでは朝会だけではなく、週次の進捗会議などでも採用している。やはりキモは問題の解決はそこでは行わないことだろう。問題解決を行い始めるとどんどん深くはまっていくので注意したいところだ。