ベテランエンジニアの悩み

システム開発現場では、技術の進歩についていくことのできない、ベテランエンジニアが多いのではないだろうか。私もその一人だ。若手エンジニアと業務を続けていると、日々、落ち込むことばかりだ。

  • 若手:「XXXはどうしますか?StrutsだとYYYなので、ZZZしたいと思います。」
  • 私:「YYYとはどういうこと?」
  • 若手:「Strutsの経験はどのくらいですか?」
  • 私:「サンプルを動かした程度だけど。」
  • 若手:軽蔑の目...

他にも

  • 若手:「SortedMapのComparatorを新たに作るクラスを作りたいんですけど標準化との関連は何かありますか?」
  • 私:「SortedMapは使用したことが無いから、よくわからないんだけど。」
  • 若手:軽蔑の目...「じゃ、いいです。こっちで考えます。」

何かにつけ、細かなことに軽蔑の目を向けられるのである。以前は自分もベテランエンジニアにやっていた気がする。

自分はこういうときどういう態度を取っていたか、(または今取っているか)は少々自信が無いが、同じような気持ちになることはある気がする。つまり、

  • 「こんなことも知らないんですか?それでよく、リーダ(もしくはアーキテクトなど)をやってられますね?」

じゃ、勉強しよう、となればよいのだが、たいていベテランは背負い込むものも多く、時間が取れない。また勉強しても、若手ほど、すばやく吸収もできない。(だからといって、勉強しないのはゼッタイNGだけど!)

なかなか、若手に追いつけず、落ち込んでいたが、その若手が作成したクラスを利用することがあり、中を覗いてみた。すると、

  • 「ふふ、こんなやり方してるんだ。青いな。」
  • 「あれれ、意味の無いsynchronizedしているよ。」
  • 「なに、このコメントの嵐は。却って可読性を下げているのがわからないのかな。」
  • 「あーあ、System.out.printlnが残っているよ。ログかリモートデバッグしてほしいなぁ。」

こんな感じ。いろいろ若手はベテランに対し、自分の優れている点をアピールする意味でも、厳しい追求を仕掛けてくるが、内実は実はそれほどすばらしいものではなかったりするのだ。もちろん、上記のような点は、大きな問題になるのなら、指摘して直してもらう必要があるが、大きな問題でないなら、心の中で、

  • 「えらそうなこといったって、君だって、だめなところたくさんあるじゃん。」

とひとりほくそ笑んでいても良いのかな、と思う。もちろん、若手にしたら

  • 若手:「忙しかったので、そのままになっていました。すぐ修正します。」

と切り返してくるだろう。そう、完璧なんて人間にはできないのだ。特に開発がピークになってくると、本当に忙しく、あまりソースに注意を払うことができなくなっている場合も多いだろう。だから、私は若手を糾弾するつもりは無い。(何度も言うが、大きな問題で無い場合だけ。)

言いたいことは、「君にだって、あまり良く無い点はあるよね。」と心の中で思うことによって、ちょっと自分の落ち込みを癒せるんじゃないかってこと。だから、最低限、その若手の作業内容が理解できる程度の能力は必要だが、自分で試行錯誤で作り出したり得たりするスキルよりはずっと簡単に身に着けることができる。

ベテランは

  • 最低限の知識を勉強する。
  • メンバの細かな作業内容を確認してみよう。

ということになるのかな、と思う。今日、このような若手のまあ、不具合みたいなものを見つけ、ちょっと心のバランスが戻ってきた。

本当に、人って、心の持ちようなんですね。