メンバとの対決

最近、若手のプログラマが結構厳しく当たってくる。私はいつの間にか、このプロジェクトのアーキテクトになっていたようで、プログラミングの問合せが集中するようになってきた。

特に、その若手は、冷静でスキルも高く結構手厳しい。

  • 若手:「XXXというクラスを作りたいのですが、パッケージはどこにしたら良いですか?」
  • 私:「厳密に標準化に照らし合わせると、XXXパッケージになりそうだね。」
  • 若手:「しかし、汎用的にすることもできるので、utilなどの方がよくないですか?」
  • 私:「ああ、汎用的にするなら、そうだね。」
  • 若手:「しかし、この程度のクラスを汎用とする必要も無いかもしれないのですけど。」
  • 私:「じゃ、業務クラス固有にしても良いよ。」
  • 若手:「ですから、このようなクラスは汎用にすべきか、個別にすべきか、どういう方針になっているか聞いているんです。」
  • 私:「方針はないねぇ。」
  • 若手:あきれた顔...「そうなんですか。それでいいんですか。今後同じような問題が出たときにそれでは困るのではないですか?今、方針を決めておくべきでは無いでしょうか。」
  • 私:「特に問題ないと思うけどね。」
  • 若手:私をにらみつけ、「それならいいです!!」

私は、動くソフトウエアができるまでは厳密なルールは必要ないと思っている。それはことある毎にメンバには伝えてきているが、この若手は、「決められるところは早く決める。でないと、後で修正工数が増大する。」と考えている。ある意味正しいのだが、先日の日記の「保険」でも紹介したように、たとえ後で修正工数が増大したとしても、早めに動くものを作り上げたほうが良いのだ。そこがなかなかわかってもらえない。

そのため、この若手は私に対し挑戦的になり、

  • 若手:『もっと、アーキテクトならしっかりしろよ!!』

と怒っているわけだ。

気持ちはわからなくも無いが、そんなに厳密に進めていくと、メンバが苦しいばかりだし、保険もなくなってしまうかもしれない。これをわかってもらうよう努力はしているが、なかなか伝わらず、ことある毎に、挑戦的に

  • 若手:「ここはどういう風にすべきかていじしてもらえませんか。」
  • 若手:「これは統一されていませんがよろしいでしょうか。」

という質問をしてくる。私は最近は、糾弾されているようで、少々胸が苦しい。また、彼のミスを見つけると、「このくらい、ちゃんとしてね!」と厳しい言い方をしてしまいそうになる。相手が自分に対し、けんか腰なら、こちらだって考えがあるぞ、と言う風に、相手に対しけんか腰に相手のミスを大げさに騒ぎ、相手をやり込めようとしてしまうのだ。

これが最もイケナイ。

相手は確かに私に対し挑戦的かもしれないが、そこを同じように挑戦的に返していたのでは、単なる対立関係を深めるだけで、協業なんてできない。

しかし、感情的には、ちょっとムカっと来てしまうところもあるんだよね。そしてこのムカッとした感情を爆発させないと、むかつきがたまる、と言うよりは、どちらかというと、だんだん自分が惨めで卑屈な存在に見えてきて、自分自身のモチベーションも下がってしまうのだ。

なんとか価値を一致させないと、お互いに不幸になるだけだ。