一括案件のリーダ :-|

自分は、4年ほど前転職をした。その際の転職理由は、「エンドユーザ一括案件を担当したい。」だった。それが実現できる会社に勤めたくて、今の会社を選んだ。(しかし、未だに実現していないのは情けないが。)
どうして、「エンドユーザ一括案件を担当」したかったのかと言うと、自分で考えた手法でシステム開発をしたかっただけなのだ。もう少し分かりやすく言うと、目的を見失っているようなリーダの下や、技術的根拠に基づかない発言を繰り返し、プロジェクトの進捗を遅らせるリーダの下では働きたくない、と言うことだったのだ。「こうすれば、もっと良いシステムになるのに。」とか、「こんな無駄なことを今する必要は無いのに。」など、たくさん不満があったのだ。しかし、孫受け作業では、受注元リーダやチームの命令には従わなければいけないし、提案はしたとしても、最終的な決定権限がないため、結局は思い通りにはならないことばかりだった。だから、自分がリーダになって、自分の思うようにプロジェクトを進めたかったのだ。また、自分が思うように進めればプロジェクトが成功すると信じていた。

今思うと、かなり思い上がっていたし、プロジェクトと言うものを理解していなかったように感じる。

なぜ、こんなことを考えるようになったかと言うと、前回の日記に書いたが、ブリッジSEとの衝突などの問題だ。どちらが正しいかと言うと多分、私だろう。正しくなくとも、より効果的なのは、自分の意見だとは思う。しかし、プロジェクトは参加しているメンバ全員で進めていかなければならない。ひとりですべてできるのならそれでも良いが、やはりメンバの協力は必要だ。そのときに、メンバを説得したり誘導しているのは、ある意味、自分が以前感じていた不満を参加メンバに与えているんではなかろうか、ということなのだ。

私が「良い」と思っていることは、メンバは「良い」とは思わないかもしれない。それが、結果的に「良かった」としてもメンバは納得しないだろう。「自分のやり方のほうが、もっとうまくいったはずだ。」こう思って、私のように転職をするかもしれない。また、もしメンバが私の言いなりで、何にも異を唱えず、言われたことだけを遂行するようなメンバばかりだったらどうだろうか。やはり、物足りなく感じるだろうし、「意見は無いのか!」なんて怒ったりするかもしれない。

自分の思うとおりに勝手にプロジェクトを遂行したい、と思いながら、結局はそんなやり方ではいけない、と思っている自分がいる。みんなで合意し、目標を常にあわせ、足並みをそろえて進まなければいけない。それが分かっていながら、なぜ、自分の思い通りに行くことを目指していたのだろう。

結局、仕事はどんな立場でも、どんな状況でも同じように「問題」と思えば問題提起すればよいし、新たな「提案」があるなら、提案すればいい。しかし、それが採用されるかされないかは、やはり、自分が相手を納得させることができるかどうかに掛かっている。その相手は、お客様かもしれないし、発注もとのSEかもしれないし、チームメンバかもしれない。

全員が同じ方向を向いて、すべてに合意して進む、なんてのは絵空事だということは分かっている。しかし、少しでもその絵空事に近づけたたい。それも、意見の衝突後、合意するというやり方がもっとも強くシステムをドライブする気がする。

そう考えると、立場なんてどうでも良くて、プロジェクトにチームの一員として参加しているだけでそのような状況を経験することはできるはずだ。やはり、今までは単に立場に甘えて「この立場だから、ダメなんだ」としか考えていなかったのかもしれない。