TV会議システムの導入検討 :-<

TV会議システムを導入しよう、という動きがある。特に自分の勤める会社は本社、支社が離れているため、TV会議システムがあると経費削減になる、ということらしい。
実際に何度かTV会議システムを使用したこともあるが、便利なのだろうか。

私は以下のような問題を感じる。

  • 会話内容は、音声の共有で十分である。
  • ホワイトボードや資料の共有が難しい。はっきり言って見えにくい。
  • なにより、映像が見難く、疲れる。
  • リアルな会議では人はさまざまに自由なタイミングで視点を変えることができるが、TV会議システムでは視点の変更が思ったようにできていない。
  • 顔が見えてもうれしくない。表情を読み取ろうとすると結構疲れる。(凝視が必要。)
  • 資料の共有はWikiなどで共有するほうが見やすくわかりやすい。
  • 上記のようにたいした効果がないのに、導入費用がかさむ場合がある。

実際、自分が見たい箇所がすぐに見えるのならうれしいと思う。ホワイトボードが見たくなったら、そちらをズームアップしてくれる、発言者が変わったらその人に視点を切り替える、などが自分の思うとおりにコントロールされ、表示されるのなら高価な投資もいいかもしれない。

単に、「TV会議システムを導入したい。」というのは、工夫を怠っているだけでは無いだろうか。

  • ホワイトボードを共有したければホワイトボードの共有に特化した製品もある。
  • 会議室には専用PCを設置しておき、プロジェクタを使用してWikiやデスクトップの共有を行っても良い。
  • 音声やどうしても映像が必要なら安価なはSkypeで十分。マイクとスピーカ、プロジェクタもしくはノートPCを持ち込む、というのでもよい。

実際、TV会議システムを導入したが、使っていない、という話は良く聞く話だ。高価な投資をして、その効果が得られないよくあるパターンに陥りそうで心配である。そして最後にこういうのだ。

  • 「今期は、業績が厳しく、賞与支給はXXXとなりました。ご理解ください。」

売り上げに対し、経費削減ができなければこうなるわけだ。この場合、責任はプロジェクトで実際に働いているメンバが悪いことになる。売り上げ、利益が計画より低いのだから、というわけだ。*1

こういう投資の無駄は当然、TV会議システムだけではない。ほかにも「グループウエアの導入で作業効率アップを目指そう。」というのもよく見かける不吉な香りのする言葉だ。フリーの製品の導入や内部でも作成できるレベルしか使わないにもかかわらず、高価なソフトウエアを購入し、使いこなしていない例は多々見てきた。もうひとつ良く見かける例は、「ビルドマシン、情報共有にサーバを購入しよう。それなりのスペックが必要だね。」というのも良く見かけてきた。とりあえず高価なマシンを買ってひとしきりOS導入、アプリ導入をして遊び終わった後、実際に業務が忙しくなると電源も投入されていない、というマシンのことだ。

危険なのは、

  • 「買おう。」

という話が始まったら危険だ。なんとなく、製品の宣伝を見ると本当に便利で効率アップで経費削減もできるように思えるかもしれないが、創意工夫を怠る前兆のようにも思う。投資をする場合、よく考えてみたいものだ。

*1:もともと年間予算で経費は計上済みなのだ。